重なり合う未来 2016 12 4

 未来は、列車の中にある。
列車の通路から、先頭車両を見れば、
やがて、あの揺れが自分のところにやってくると予想できる。
 しかしながら、
未来は、時には重なり合い、時には分岐して存在している。
 だから、その揺れが、大きな揺れになってしまうことも、
書き換えられて消えてしまうこともある。
 二つの未来が同時に存在することもあれば、
片方の未来が確定すれば、片方の未来が消えることもある。
 さて、私は、2013年に、
「政治的方向性」という文章を書きました。
2013年の「揺れ」が、2016年のアメリカ大統領選挙を直撃しましたか。
 2013年の時点においても、
政治家たちは、国民が直面する難題を何も解決できなかったのです。
そして、有権者には、既成の政治家には何も期待できないという思いが堆積していたのです。
 経済学者のシュンペーターは、「経済には、時として創造的破壊が必要である」と主張しました。
政治においても、「創造的破壊」が必要かもしれません。

政治的方向性 2013 11 10

 欧州の極右政党とアメリカ共和党茶会派は、
もしかすると、同じ方向を向いているかもしれません。
 茶会派には、「連邦政府の極小化」という目標がありますが、
実は、底流に、もうひとつの要素があるかもしれません。
 欧州における極右政党は、
移民排除を訴える場合があります。
 これは、移民が自分たちの仕事を奪っていると感じているからでしょう。
あるいは、移民が持っている文化が、
欧州の文化と共存できないと感じているからでしょう。
 日本人は、アメリカの白人というと、
金持ちや成功者を連想するでしょうが、
そういう連想は、間違いです。
 アメリカには、白人の貧困層も少なくないのです。
最近では、白人の中流階級が没落して、
貧困層になっている場合も増えました。
 こうした人たちが、必ずしも福祉を求めるとは限らないのが、
アメリカらしいところです。
白人の貧困層でも、政治的には保守という場合があるのです。
 一方、増えつつあるヒスパニック系は、
勤勉で、子供が多く、経済的な成功を求めていると聞いたことがあります。
 アフリカ系アメリカ人、つまり、日本では黒人と呼ぶのでしょうが、
こうした人たちも、政治の世界や実業界に着実に進出してきたでしょう。
 このような下地がある中で、
「白人の貧困層」や「経済的に苦しくなった白人の中流階級」は、
どう思うのでしょうか。
 政治的寛容性を発揮するのか。
しかし、政治的先進国である欧州においては、
極右政党の台頭という現実があります。
 政党には、人々の不満を吸収する機能があります。
それをエネルギーにして、政党は大きくなっていく場合があります。

















































































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